インビザラインはどんなときに痛い?理由と対策、予防策も解説
インビザラインで歯列矯正を始める際に、痛みが少ないから選択したという方は少なくありません。
実際には、インビザラインは痛むのか、痛む場合は何が原因なのか、知っていれば治療を開始するときも不安が減るでしょう。
この記事では、インビザラインが痛むときの理由や対処法、予防する方法も詳しく解説します。
インビザラインの痛みについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインは痛い?
インビザラインは定められた期間ごとにアライナーと呼ばれる専用のマウスピースを交換し、少しずつ歯を動かしていく歯列矯正方法です。
歯が移動するときには痛みを感じやすいですが、どのような痛みなのかが気になるところではないでしょうか。
ここでは、インビザラインで感じる痛みについて、解説します。
ワイヤー矯正より痛みが少ない
インビザラインはワイヤー矯正より痛みが少ないのが特徴です。
その理由は、歯の移動距離と歯にかかる力の違いが関係しています。
インビザラインは1枚のアライナーで0.25〜0.35mm、1ヶ月で0.5〜1mmほどに対して、ワイヤー矯正は1ヶ月で1〜2mmほど歯が移動するため、その分歯にかかる力もワイヤー矯正の方が強いのです。
ワイヤー矯正よりもゆっくり移動するため、インビザラインは痛みも感じづらくなっています。
また、インビザラインは装置の違和感が少ないですが、ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーの違和感があるのも、痛みの違いでしょう。
インビザラインの痛みはどの程度?
インビザラインの痛みは、個人差はありますが、眠れなかったり、我慢できなかったりするほどの痛みを感じるケースはほとんどありません。
歯列矯正の開始前に、治療計画を立てるソフトウェアのクリンチェックで綿密な計画を立てるため、痛みを感じすぎないような歯の動きを計算できます。
しかし、歯が移動する際には、どうしても違和感や圧迫感などから鈍い痛みを感じてしまう場合が少なくありません。
ワイヤー矯正ほどではない痛みですが、痛みの感じ方は人それぞれなため、気になるときは矯正医師に相談してみましょう。
インビザラインの痛みはどれくらい続く?
インビザラインの痛みの多くは歯が動くときの痛みで、アライナーを交換した後に起こります。
痛みのピークは1〜3日で、徐々に和らぐケースが多いです。
ただし、歯が動きやすい代謝の良い方は、もっと早くピークが来て痛みが引いていく可能性もあります。
アライナーを交換した直後に痛みがあって外したくなっても、1日20時間以上の装着時間を守らないと治療計画通りに歯が動かなくなってしまうため、痛くて耐えられない場合は矯正医師に相談して対策を検討しましょう。
インビザラインが痛い理由

インビザラインは痛みが少ないとはいえ、全く痛くないわけではありません。
どのようなときに痛みを感じやすいのか、理由を知っていれば、冷静に対処できるのではないでしょうか。
ここでは、インビザラインが痛い理由について、詳しく解説します。
アタッチメントが当たっている
歯の表面に装着したアタッチメント(レジン素材の1mmほどの突起物)が、唇の裏側に当たっていると痛みを感じるかもしれません。
インビザラインの歯列矯正では、歯を効率的に移動させるために、アタッチメントの装着をするケースがあります。
食事や歯磨きでアライナーを外したときはアタッチメントがむき出しになるため、人によっては痛みを感じる場合があります。
また、アライナーの着脱時にアタッチメントに当たったり、引っかかったりすると、痛みを感じることもあるため、着け外しは慎重に行いましょう。
歯が動くため
インビザラインの痛みの多くは、歯が動いているために起こります。
歯にかかった圧力で顎の骨(歯槽骨)が溶けて変形することで歯の移動が可能になりますが、その際歯槽骨の間にある薄い膜(歯根膜)が刺激を受けて血管が圧迫され、痛みを感じやすくなります。
インビザラインの歯列矯正を開始して初めて装着したときや、新しいアライナーに交換したときに、痛みが出る可能性が高いでしょう。
また、歯に新しい力が加わることにより、歯根膜への圧力で神経が刺激されて歯が敏感になるため、このタイミングで知覚過敏が起こることもあります。
個人差はありますが、数日~1週間ほど痛む場合も多く、症状が気になる場合は矯正歯科医に相談してください。
後戻りしている
アライナーをしばらく装着していないと、歯が元に戻ろうと動いてしまう後戻りが起こります。
後戻りをしてしまった場合、再装着しても現在の歯の位置とアライナーが合わずに痛みを感じてしまうリスクがあります。
どれくらいの期間が空いていたか、後戻りの程度にもよりますが、装着ができないほどのずれが生じてしまっている場合は、治療計画の見直しが必要かもしれません。
アライナーの変形や破損
アライナーが変形していたり、破損していたりする場合は、装着時に痛みを感じてしまう可能性があります。
アライナーは透明で薄い特殊な素材でできていて、表面は滑らかなため、通常なら口の中を傷つけにくく作られています。
しかし、無理な力をかけて着脱をしたり、装着の際に噛んだりすることで、アライナーが変形してしまうことがあるのです。
また、食事や歯磨きのときに外して誤って破損してしまった場合は、口腔内を傷つけてしまう可能性があるため、すぐにクリニックへ連絡して指示を仰ぎましょう。
IPRの処置後にしみる
個人差がありますが、IPRの処置後にしみるような痛みを感じる方もいます。
IPRは、歯列に歯をきれいに並べるためのスペースを作るために、歯の間のエナメル質を削る処置のことです。
削る範囲は一層だけで、基本的に痛むことはありませんが、歯を削った際に痛むケースもあるため、IPR処置をした方は、痛む理由になるかもしれないと覚えておきましょう。
硬いものを食べた刺激
インビザラインの歯列矯正中は、硬い物を食べた刺激で痛むことがあります。
歯が動いているときは歯の周りの歯根膜が敏感になるため、硬い物を噛んだ力が刺激となり、痛みを感じる可能性があるのです。
特に歯列矯正を始めたばかりや、アライナーの交換後は、歯の移動により歯根膜が敏感になっています。
インビザラインは食事内容の制限はありませんが、痛みがないかを慎重に確認しながら様子を見てください。
顎間ゴムの装着時
顎間ゴム(歯並びや噛み合わせの調整に使用されるゴム)を装着したときは、痛みを感じやすいかもしれません。
装着してすぐは歯の動きと共に痛みを感じる可能性がありますが、数日で落ち着く方がほとんどです。
顎間ゴムには重要な役割があるため、痛みがあるからと自己判断で中断せずに、矯正医師に対処方法を相談してください。
虫歯や歯肉炎などになった
歯列矯正中に虫歯や歯肉炎になった場合は、痛みが起こることがあります。
インビザラインは装置の着脱ができるためブラッシングがしやすい特徴がありますが、虫歯や歯肉炎にかかる可能性はないわけではありません。
予防のために口腔内のケアを丁寧に行うことは重要ですが、それでもトラブルが起こった場合は、すぐにクリニックへ相談しましょう。
一般歯科と矯正歯科の両方に対応している歯科医院ならば、トラブルがあってもすぐに治療できます。
インビザラインで痛いときの対処法

インビザラインの歯列矯正中に痛みが出たときは、どう対処すればいいのでしょうか。
ここでは、インビザラインで痛いときの対処法を紹介します。
クリニックへ相談する
インビザラインで痛いときは、クリニックへ相談して対処法を確認しましょう。
自己判断でアライナーの装着を中断したり、装着時間を短くしたりすると、治療計画が変わってしまう可能性があるため注意してください。
インビザラインで痛いときの対処法として、クリニックでは以下のような対応を行います。
・歯科用ワックスの使用
・着脱用スプーンの使用
・アタッチメントの調整
・鎮痛剤の服用
・アライナーを戻す、外すなどの処置
・虫歯や歯肉炎の処置 など
痛みの原因や状態により、歯科用ワックスや着脱用スプーンで対処することができる可能性もあるため、矯正医師の指示に従って使用しましょう。
アタッチメントが当たっている場合は、削って調整を行うと、痛みが軽減できるケースもあります。
痛みが強いときは鎮痛剤の服用で対処することもありますが、服用前にクリニックへ相談して治療計画に支障がないかを確認しましょう。
一時的にアライナーを前のものに戻す、外して様子を見るなどの処置を行う場合は、必ず矯正医師の指示を仰ぎ、自己判断で行わないようにしてください。
また、虫歯や歯肉炎の処置は、一般歯科も扱っている矯正歯科ならばその場で治療も可能ですが、矯正歯科のみの場合は、提携している一般歯科で治療する可能性もあります。
柔らかく食べやすい食事をする
硬い物を食べたときに痛む場合は、歯根膜への刺激が強い可能性があるため、柔らかく食べやすい食事をして様子を見ましょう。
特にインビザラインを始めたばかりや、新しいアライナーへ交換した後に痛むときは、噛む力が刺激になって痛みを感じやすい方もいます。
痛みのピークが1~3日ほどのケースが多いため、この期間は柔らかく煮込んだ食事や、細かく刻んだ食材などを上手に活用してみましょう。
アライナー交換のタイミングを夜にする
アライナーを交換した後に痛むことが多い方は、交換のタイミングを夜にしてみるのもひとつの方法です。
就寝中に歯が移動し始めるタイミングを合わせることで、違和感や痛みを感じにくくできる可能性が高まります。
ただし、痛みが強い方や、歯の移動スピードが早い方は、痛みによってよく眠れないかもしれないため、様子を見ながら自分に適した交換タイミングを見つけましょう。
外側から冷やす
インビザラインで痛みを感じたときに、外側から冷やすのもおすすめです。
保冷剤をタオルやガーゼで包み、痛む箇所の外側の頬に当ててみましょう。
冷たい飲み物も一時的に痛みを和らげる効果は期待できますが、極端に冷たすぎる食べ物、飲み物は痛みを増幅する可能性があるため、注意が必要です。
インビザラインの痛みを予防する方

インビザラインは痛みが少ないとはいえ、アライナー交換時や症状によっては痛みを感じてしまう場合があります。
インビザラインの歯列矯正期間を快適に過ごすために、痛みの予防法を紹介します。
アライナーを正しく使用する
アライナーを正しく使用することで、不快感や違和感を感じづらくなり、痛みの予防になります。
装着方法は矯正医師の指示通りに正しく行い、1日20時間以上の装着時間を守ることで、歯の移動時の不快感の軽減する効果が期待できます。
アライナーがしっかり歯に密着するように装着するために、着脱用スプーンやチューイー(装着時に咬む器具)を使用するのもおすすめです。
食後はアライナーの洗浄方法をきちんと守り、アライナーや口腔内を清潔に保てば、トラブルの予防にもつながります。
外したアライナーやこれから使用するアライナーは、変形や破損を防ぐために正しく保管するように気をつけましょう。
また、交換スケジュールを守ることも重要な要素です。
決められた時期にきちんとアライナーを交換することで、後戻りを防ぎ、治療計画通りに歯の移動が行われます。
適切な口腔ケアをする
虫歯や歯肉炎などの口腔内のトラブルを予防するためにも、適切な口腔ケアを心がけましょう。
毎食後やアライナーを外した後に再装着する前の丁寧なブラッシングと、定期的な歯科検診により、トラブルを未然に防げます。
フロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどを活用して、口腔内の清潔を保ちましょう。
通院頻度を守る
インビザラインの歯列矯正中は、指示された通院頻度を守って、定期的に矯正歯科医で歯の状態をチェックするのが重要です。
症状やクリニックによりさまざまですが、通院頻度は2~3ヶ月ごとが多いです。
歯の移動が順調に進んでいるか、治療計画とずれがないかを確認するのと同時に、万が一の痛みにもすぐ対応できるため、きちんと通院を続けましょう。
まとめ
インビザラインで痛みを感じるのは、歯の移動の影響以外にもいくつか理由があります。
理由によって対処方法は異なるため、痛みがある場合はすぐに矯正医師に相談しましょう。
自己判断でアライナーを外したり、装着時間を短くしたりすると、歯の移動が遅れて治療期間が長引いてしまう可能性が高まります。
歯列矯正期間を快適に過ごすためにも、矯正医師とよく相談しながら、痛みに対処してください。
友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神では、おもてなし歯科コンシェルジュによる丁寧なカウンセリングを行い、インビザラインの痛みへの不安を解消させていただきます。
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