インプラントで高齢になったときに起こりうるトラブルは?メリットや入れ歯との違いを紹介

インプラントは、歯を失った際の治療法として注目されており、高齢の方にも選ばれるケースが増えています。
しかし、「高齢になってからインプラントを入れて大丈夫?」「将来的に問題は起こらないの?」と不安に思う方も少なくありません。
この記事では、高齢になったときに起こりうるインプラントのトラブルや、入れ歯との違い、高齢者にとってのメリットをわかりやすく解説します。
ご自身やご家族の治療選択の参考にしていただければ幸いです。
高齢になったときに起こりうるインプラントのトラブル

骨の変化によるインプラントのぐらつき・脱落
加齢とともに骨密度は低下し、特に顎の骨が痩せてくることで、インプラントを支える力が弱まることがあります。
また、骨粗しょう症や閉経後の女性に多い急激な骨密度低下も、インプラントのぐらつき・脱落のリスクを高める要因です。
これらを防ぐためには、定期的な検診と適切な口腔ケアが不可欠です。
細菌感染やインプラント周囲炎
高齢になると免疫力が低下し、インプラント周囲炎(インプラント周囲の歯茎や骨に炎症が起こる状態)にかかりやすくなります。
特に糖尿病や心臓疾患をお持ちの方、喫煙習慣がある方は、注意が必要です。
さらに、喫煙習慣は血流を悪化させることで細菌感染のリスクを高める要因となります。
正しいブラッシングをし、フロスや抗菌作用のある洗口液の使用、生活習慣の見直しが予防につながります。
メンテナンスが難しくなる
高齢になると身体的制約や認知機能の低下により、インプラントのメンテナンスが難しくなることが少なくありません。
例えば、歩行困難や視力低下によって歯科医院への通院が困難になる場合があります。
また、手指の動きが不自由になることで歯ブラシやフロスや歯間ブラシを使ったセルフケアが十分に行えなくなる可能性もあります。
さらに、認知症などの影響で適切なケア方法を忘れてしまうケースも見られます。そのような場合は、訪問歯科やご家族・介護者のサポートを利用して、メンテナンス体制を整えることが大切です
経済的負担
インプラント治療は保険が適用されない自由診療であるため、1本あたり約30万~50万円と高額です。
さらに、治療後もメンテナンス費用や追加治療費が発生する可能性があるため、長期的な費用計画を考慮することが重要です。
とはいえ、インプラントは入れ歯やブリッジと比較して耐久性の高い治療法であり、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れるケースもあります
分割払いや医療費控除制度を活用することで、費用の負担を軽減できる場合もあります。
治療計画を立てる際には、自身のライフスタイルや経済状況に合わせた選択肢を慎重に検討し、インプラントの利点を最大限に活かすことが大切です。
高齢でもインプラントを選ぶメリット

自分の歯に近い噛み心地で食事を楽しめる
大きな入れ歯を入れた場合歯茎や上あごを覆う作りになるため、わずらわしさを感じ、噛む力も弱く味や温度が感じにくくなります。
一方インプラントは顎の骨にしっかり固定されているため、入れ歯よりも強い噛む力が得られます。
硬いものや繊維質の多い食材もしっかり噛めるため、食事の楽しみや栄養摂取の幅が広がります。
インプラントによって噛む機能を取り戻すことで、健康的な食生活を維持しながら豊かな日常を送れます。
若々しい見た目の維持
インプラントは、歯茎や周囲の歯と自然に馴染む仕上がりになるため、見た目の違和感が少ないことが特長です。
歯を失うと顎の骨が痩せてしまい、顔の輪郭が変わりやすくなりますが、インプラントは骨にしっかり固定されるため、骨が痩せるのを防ぎ、顔の形を保つ助けになります。
また、噛む力を保つことで顔の筋肉が衰えにくくなり、口元のたるみ予防や若々しさの維持にもつながります。
認知症予防への効果が期待される
噛むことは脳に刺激を与え、認知症のリスクを減らす効果があるといわれています。
歯を失うと噛む力が弱まり、その結果、脳への刺激も少なくなる傾向がありますが、インプラントによって噛む力を取り戻すと脳への血流を促し、認知症予防の一助にもなり得るのです。
自治体によっては助成金制度も
インプラント治療は自由診療のため高額ですが、一部の自治体では高齢者のインプラント治療に対して医療費補助制度や助成金制度が設けられている場合があります。
また、年間の医療費が一定額を超えた場合は、医療費控除も活用できます。
治療前には、お住まいの地域の制度を確認しておくと安心です。
高齢になったときのインプラントと入れ歯の違い

インプラント
噛む力:天然歯の約80~90%
骨への刺激:骨に直接刺激が伝わり、骨吸収を防げる
見た目:天然歯のように自然
安定感:固定されておりずれにくい
入れ歯
噛む力:約10~20%(総入れ歯)
骨への刺激:骨に刺激が伝わらず、骨が痩せやすい
見た目:金属バネや人工的な見た目が出る場合あり
安定感:ズレやすく違和感が出やすい
インプラントの方が噛む力が強い
インプラントは顎の骨に直接固定されているため、噛む力が天然歯に近いレベルまで回復します。実際に、インプラントは天然歯の約80~90%程度の噛む力を再現できるといわれています。
一方、入れ歯は粘膜で支える構造上、噛む力が弱く、総入れ歯の場合は天然歯の10~20%程度です。
インプラントは骨吸収を防げる
歯を失うと、顎の骨が噛む力を受けなくなるため、骨が少しずつ痩せてしまうことがあります。これを『骨吸収』と呼びますが、インプラントはこの問題を防ぐことが可能です。
インプラントは顎の骨に直接固定されているため、噛むたびに骨に刺激が伝わり、骨が健康な状態を保ちやすくなります。
一方で入れ歯の場合、顎の骨にほとんど刺激が伝わらないため、時間が経つにつれて骨が痩せてしまい、入れ歯が合わなくなる場合があります。
その結果、不快感や痛みを覚えることも少なくありません。インプラントなら顎の骨を守りながら、長期間快適に過ごすことができる点が大きなメリットです。
インプラントは見た目が自然
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する仕組みのため、見た目が非常に自然で、周囲の歯とほとんど区別がつきません。
人工歯にはセラミックなどの高品質な素材が使われることが多く、色や形も隣の歯に合わせて細かく調整できます。そのため、笑ったり話したりしても人工的だと気づかれにくいです。
一方で、入れ歯は金属バネやプラスチック部分が見えて、見た目に違和感が出る場合があります。
また、入れ歯は使用中にズレたり外れたりすることもあり、口元に不安を感じる場面があるかもしれません。
高齢者にインプラントは避けるべき?それとも選ぶべき?

「高齢だからインプラントは無理」と考える必要はありません。
適切な条件・体調管理・医院選びを行えば、高齢でも快適にインプラントを使い続けることは可能です。
●自然な見た目・しっかり噛める機能性
●心理的・社会的な自信の回復
●長期的には費用対効果が高い場合も
これらを総合的に判断し、ご自身の生活の質(QOL)を高められる治療法かどうかを検討することが大切です。
インプラント治療で安心できる歯科医院の選び方

高齢者がインプラント治療を受ける際には、身体的な負担や長期的なケアを考慮した歯科医院選びが重要です。以下のポイントを参考に、安心して治療を受けられる医院を見つけましょう。
● 高齢者のインプラント実績が豊富な歯科医師
● CTスキャンなどの設備・衛生管理・感染対策が整っている
● 長期フォロー体制がある
インプラントは術後のメンテナンスが成功の鍵となります。定期検診やクリーニングなど、長期的にサポートしてくれる医院かどうか確認しましょう。
また、治療を成功させるためには、高齢者の身体的・生活的背景をしっかり考慮した診療を行う歯科医院を選ぶことが重要です。
まとめ
インプラントは高齢者にとっても多くのメリットがある治療法です。
しっかり噛める機能性、自然な見た目、生活の質の向上など、入れ歯にはない魅力があります。
もちろん、高齢になるとトラブルやリスクもあるため、ご自身の健康状態や生活環境に合わせた検討が必要です。
友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神では、高齢者の方にも安心して受けていただけるインプラント治療を提供しています。
専門的な検査・カウンセリングをもとに、一人ひとりに適した治療計画をご提案いたします。
「高齢だけど、インプラントに興味がある」「入れ歯との違いを詳しく知りたい」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
また、管理栄養士による栄養指導・栄養相談も行っております。インプラント治療をより安心して受けていただける体制を整えております。
インプラントのご相談は無料カウンセリングを行っております。福岡でインプラント治療をご検討の方は、ぜひご相談ください。ご来院お待ちいたしております。