インビザラインとワイヤーどっちを選ぶ?特徴や比較も解説

歯列矯正を検討する際、インビザラインとワイヤー矯正のどちらがいいか迷う方は少なくありません。
それぞれにメリット・デメリットがあり、特徴も違うため、しっかり比較検討することが必要です。
症状や生活スタイル、目指す歯並びなどによって、適した歯列矯正方法は異なります。
この記事では、インビザラインとワイヤー矯正の比較ポイントや、向いている方について詳しく解説します。
どちらを選んだらいいのかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインの特徴

インビザラインとは、透明なマウスピースを装着して、歯を少しずつ移動させていく歯列矯正方法です。
この透明なマウスピースのことをアライナーと呼び、定められた期間ごとに自分で交換して矯正治療を進めていきます。
アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型矯正装置で、1997年から世界で1700万以上の豊富な治療実績があります。(2023年時点)
インビザラインのアライナーの特徴は、以下の通りです。
・自分で着け外しができる
・透明なため目立ちにくい
・少しずつ歯が移動するため痛みが少ない
・装着時間は1日20時間以上
・適応できない症状がある など
インビザラインのアライナーは自分で着け外しができるため、食事の制限がなく、歯磨きがしやすいメリットがあります。
しかし、装着時間の管理を自分で行わなければならないため、自己管理が重要です。
また、インビザラインは軽度~中等度の症状に適していて、歯列の乱れ方や移動距離などによっては対応できない症状もあります。
ワイヤー矯正の特徴

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着してワイヤーを通し、移動方向に力を加える歯列矯正方法です。
ワイヤー矯正の特徴は、以下の通りです。
・幅広い症状に対応できる
・治療期間が比較的短い
・矯正装置が目立つ
・歯磨きや口腔ケアがしづらい
・食事に制限がある
・痛みが出る場合がある
ワイヤー矯正は歴史が長く症例数が豊富なため、歯を複雑に動かすような難しい症状にも対応できるのがメリットです。
歯を動かす力が強く、複雑な移動ができて治療期間が短縮されるケースも多いですが、矯正装置の調整直後は痛みが出る可能性もあります。
矯正装置は固定式で着け外しの手間がかかりませんが、歯磨きのしづらさや食事の制限があるため、注意が必要です。
ワイヤーやブラケットは目立ちにくい色にしたり、裏側矯正を選ぶこともできますが、別途費用がかかります。
選び方のポイントを比較

インビザラインとワイヤー矯正の選び方のポイントを紹介します。
どのような項目に重点を置くか、検討する際の参考にしてください。
費用(自費診療)
インビザライン:50~120万円(装置の種類、矯正範囲などによる)
ワイヤー矯正:60~150万円(矯正範囲、期間などによる)
矯正期間
インビザライン:数ヶ月~2年ほど(症状による)
ワイヤー矯正:1~3年ほど(症状による)
見た目
インビザライン:透明で目立ちにくい
ワイヤー矯正:銀色の装置の場合は目立ちやすい 目立ちにくい素材や裏側矯正もあるが費用が高くなる傾向にある
生活の変化
インビザライン:1日20時間以上の装着、食事のたびに外す、食事後の歯磨きなど
ワイヤー矯正:食事制限はあるが、着けたまま生活できる
自己管理
インビザライン:装着時間を守る、交換時期を自己管理する必要がある
ワイヤー矯正:丁寧なブラッシングで装置の清潔を保つ
痛み
インビザライン:痛みが少ない
ワイヤー矯正:痛みが出る場合がある
インビザラインとワイヤー矯正の比較は、以下で詳しく解説します。
費用の比較
歯列矯正にかかる費用は、矯正装置によって差があります。
インビザラインは50~120万円ほどが目安となり、装置の種類や矯正範囲、全体矯正か部分矯正かでも大きく費用が異なります。
ワイヤー矯正は60~150万円ほどが目安で、表側矯正と裏側矯正でも変わり、期間が長引くと費用が高くなる傾向があるため、費用は個人差が大きいです。
一般的にワイヤー矯正の方が費用が抑えられると言われていますが、条件によってはインビザラインより高額になることもあります。
どちらの矯正方法も、治療計画の通りに進まなかったり、虫歯や歯周病などのトラブルがあったりすると、治療期間が延びて費用がかかることもあるため、ワイヤー矯正の方が安いとは言い切れません。
友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神ではインビザラインもワイヤー矯正(表側)も対応しています。矯正無料カウンセリングを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
矯正にかかる期間の比較
矯正にかかる期間は、同じ症例の場合はワイヤー矯正の方が早く終わる傾向があります。
インビザラインの場合は数ヶ月~2年ほど、ワイヤー矯正は1~3年ほどが目安です。
歯にかかる力が強いワイヤー矯正は、歯の移動が早いため、同じ症例の場合はワイヤー矯正の方が終了までの期間は短縮されます。
部分矯正で軽度の歯列不正の場合は、インビザラインでは数ヶ月で終了するケースもあります。
上記の表はあくまで目安で、難しい症例だとワイヤー矯正でも3年ほどかかることもあり、症状によりかかる期間はさまざまです。
インビザラインの部分矯正では、歯列の乱れが大きい場合は期間が長くなる、もしくは対応できない可能性があります。
どのくらいの期間がかかるかを、最初のカウンセリングで確認しておきましょう。
見た目の比較
見た目が目立たないのは、透明なマウスピース(アライナー)を装着するインビザラインです。
インビザラインは指示された間隔で次々と新しいアライナーに交換していくため、使用方法をきちんと守れば着色は防げて、透明度が保てます。
ワイヤー矯正は、表側矯正の場合どうしても正面から見て目立つでしょう。
目立たない矯正装置を選択したり、歯の裏側に矯正装置を装着する裏側矯正にすることもできますが、その分費用がかかります。
見た目が目立たないほうが良い、ワイヤー矯正だと矯正装置が目立ち仕事に支障があるなどの場合は、インビザラインの方が目立たないためおすすめです。
歯列矯正中の生活を比較
歯列矯正中は、インビザラインもワイヤー矯正も、生活に変化があります。
インビザラインでは、アライナーを1日20時間以上装着する必要があります。
装置を外せるため食事の制限はありませんが、食後は歯磨きをしてからインビザラインを装着しなければなりません。
ワイヤー矯正は、矯正装置に挟まったり絡まったりする避けた方がいい食材があり、食事の制限や歯磨きのしづらさがあります。
歯列矯正中の口腔ケアにも注意しなければならないため、歯列矯正中は生活の変化があることを理解しておきましょう。
自己管理の重要度を比較
自己管理の重要度は、インビザラインの方が高いです。
食事の際につけ外しが必要だったり、1日の装着時間の管理をしたりしなければなりません。
また、決められた期間でアライナーを交換する、矯正装置の清潔を保つなどの管理も必要です。
これらを守れなかった場合、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう可能性があります。
一方、自分で装置を着け外しせずに、矯正歯科医による調整が行われるワイヤー矯正は、装置の自己管理はほとんど必要ありません。
装置の清潔を保つためのブラッシングはもちろん必要ですが、自己管理の面ではワイヤー矯正の方が楽です。
痛みを比較
痛みを感じることが少ないのは、インビザラインです。
アライナーを指示通りに7〜14日ごとに交換して、1枚あたり0.25〜0.35mmほどゆっくり動かすため、歯が移動する痛みを感じにくいのです。
ワイヤー矯正の場合は歯にかかる力が強く、移動距離最大1mmほどのため、特に矯正装置の調整直後は痛みが出やすい傾向がありますが、2~3日で治まります。
また、装置が唇や口腔内に当たって傷が付いたり、口内炎ができたりする可能性があります。
痛みが強いときは、矯正歯科医に相談して、痛み止めの服用や口腔内に装置が当たらないように保護する矯正用ワックスも検討してみましょう。
インビザラインがおすすめな方

インビザラインはメリットも多く、選択する方も増えています。
ただし、メリットとともにデメリットも理解し、自分に合っているかをしっかり検討して選ぶのが重要です。
ここでは、インビザラインがおすすめな方を紹介します。
矯正装置を目立たせたくない方
矯正装置を目立たせたくない方は、インビザラインが向いています。
アライナーと呼ばれる透明なマウスピースを使用するため、インビザラインは目立ちにくい特徴があります。
正面からでも、よく見ないと他人からは気づかれないくらいに自然で目立ちません。
営業や接客業など、人と接する機会が多い方には、目立ちにくいインビザラインがおすすめです。
自己管理ができる方
インビザラインは自己管理が重要な歯列矯正方法です。
インビザラインはアライナーを自分で着け外しができるメリットがありますが、装着時間、装置の交換、清潔を保つなどの自己管理をしっかりと行わなくてはなりません。
1日20時間以上の装着時間が守れなかったり、指示された期間での交換を行わなかったりすると、治療計画通りに歯の移動ができずに、矯正治療期間が延びてしまう可能性があります。
また、アライナーの洗浄を怠ると、虫歯や歯周病になってしまうリスクが高まります。
自由に食事をしたい方
アライナーは食事をするときは外すため、食事の制限がほとんどありません。
繊維質の野菜や肉が食べにくいワイヤー矯正とは違い、インビザラインはアライナーを外せば食材を問わず好きな食事ができます。
ただし、カレーやキムチなどの着色しやすい物を食べた後は、しっかり歯磨きをしてからアライナーを装着する必要があります。
アライナーの装着時は、着色を防ぐためにもコーヒーや色の濃いお茶を避けてください。
仕上がりのイメージを明確にしたい方
インビザラインは3D口腔内スキャナーを始めとした検査機器を使用して、歯の移動をシミュレーションできます。
歯列矯正後に歯並びがどのように変化するのかのイメージを具体的に目で見て確認できるため、モチベーションアップにもつながります。
かかる期間や費用の目安も治療前に確認できるのもメリットで、細かい調整にも対応できます。
歯列の乱れが少ない方
インビザラインは軽度〜中等度の症状の歯列矯正に適しています。
そのため、歯列の乱れが少ない方は、インビザラインに向いています。
インビザラインを希望している場合は、矯正歯科で可能かどうかを確認してみましょう。
顎の骨格的な問題がある、抜歯後の歯の移動距離が長いなどの場合は、ワイヤー矯正が適している可能性があります。
ワイヤー矯正がおすすめな方

ワイヤー矯正は、幅広い症状に対応できる歯列矯正方法です。
歯を大きく動かせますが、ある程度の痛みを伴う可能性があります。装置の調整後は数日痛みを感じる方もいますが、個人差が大きいです。
ワイヤー矯正のメリットは他にも以下のようなものがあるため、検討してみてください。
矯正治療期間を短くしたい方
ワイヤー矯正は、一般的には矯正治療期間が短く済む傾向があります。
矯正装置の調整を歯科医師が行い自己管理の負担が少ないため、治療計画通りに進みやすいのです。
ただし、矯正ゴムを使用する場合は毎日の装着を怠ると、歯の移動がスムーズにいかずに治療計画とずれてしまう可能性があるため注意が必要です。
矯正装置が見えても気にならない方
矯正治療期間中に矯正装置が見えても気にならない方は、ワイヤー矯正に向いています。
ワイヤー矯正でも表側矯正の場合は、歯の表面にブラケットを装着してワイヤーを通すため、どうしても矯正装置が見えてしまいます。
目立ちにくい色のブラケットやワイヤーもありますが、正面から見えるのは変わりません。
歯の裏側に矯正装置を装着する裏側矯正は見えませんが、費用が高くなります。
大きく歯を動かす必要がある方
重度の症状のため大きく歯を動かす必要がある方は、ワイヤー矯正の方が適しています。
極端に歯列が乱れている、何本も抜歯している、骨格的に顎のずれがあるなどのケースでは、歯の移動距離が大きくなる傾向にあります。
ワイヤー矯正では歯にかかる力が強いため、複雑な歯列を整えることも可能で、ほぼ全ての症状に対応できる矯正方法です。
通院頻度を守れる方
ワイヤー矯正では、矯正装置を歯科医師が調整する必要があるため、指示された通院頻度を守れる方が向いています。
症状やクリニックによって異なりますが、一般的に約1ヶ月ごとの通院が必要となります。
歯の移動が順調に進んでいるかを確認して、装置の調整を行うことで、治療計画に沿って歯列を整えていくのです。
通院頻度が守れないと、歯の移動スピードが遅くなってしまい、矯正治療期間が延びてしまうリスクが高まるため、注意してください。
インビザラインとワイヤーについてよくある質問

歯列矯正について、よくある質問をまとめました。
疑問を解消して、インビザラインとワイヤー矯正のどちらを選ぶかの参考にしてください。
インビザラインとワイヤーは併用できる?
インビザラインとワイヤー矯正は併用できます。
インビザラインだけでは対応できない症状の場合でも、一部分や一時期にワイヤー矯正を併用することにより、対応可能になるケースもあります。
2つの方法の得意な所を活かして、効率よく歯列矯正ができる可能性が高いです。
ただし、インビザラインとワイヤー矯正のどちらにおいても、経験や実績が豊富な矯正歯科医院を選ぶのが重要です。
矯正歯科によってはどちらかにしか対応していなかったり、併用の症例があまりなかったりすることもあるため、カウンセリングの際に確認しておきましょう。
子どもの矯正はどっちがいい?
子どもの矯正は、始める時期によってはインビザラインでは対応できない可能性もあります。
永久歯が生える前に顎の成長に合わせて土台作る10~12歳頃の歯列矯正(第1期治療)では、インビザライン・ファーストという子どもを対象としたインビザラインを選択することができます。
もちろんワイヤー矯正も可能なため、症状や希望に合わせて選べるケースが多いです。
第1期から歯列矯正をしていて、永久歯が生えそろってからの治療(第2期治療)をする場合は、ある程度土台ができている状態のため、子ども自身と親御さんが管理できればインビザラインを選択可能です。
しかし、第2期から初めて歯列矯正を始める方は、症状によっては大人と同じようにワイヤー矯正が適しているケースも少なくありません。
学校での見た目が気になるという理由から目立ちにくいインビザラインを希望される方もいますが、歯列の状態と自己管理ができるかを歯科医師とよく相談して検討しましょう。
仕上がりに差はある?
インビザラインとワイヤー矯正のどちらの矯正方法でも、適切な治療を行えば仕上がりに差が出ることはほとんどありません。
インビザラインでは、治療開始前に3Dで仕上がりを確認できるため、事前に矯正終了後をイメージできるのがメリットです。
治療開始後は、イメージ通りに歯並びや噛み合わせを整えるために、アライナーを交換しながら歯列矯正を進めていきます。
一方ワイヤー矯正では、仕上がりのイメージ画像には対応していませんが、治療計画はしっかり立てて、歯科医師が実際に見ながら細かく調整して治療を進めます。
目指すゴールである歯並びや噛み合わせに近づけるように、治療過程で臨機応変に対応できるのがワイヤー矯正です。
歯列矯正の方法としては違いがありますが、仕上がりに関してインビザラインとワイヤー矯正のどちらが優れているというわけではないと考えられます。
まとめ
インビザラインとワイヤー矯正のどちらが向いているかは、症状や重視するポイントによって異なります。
歯列矯正しているのを目立たせたくないならばインビザラインが、複雑な歯並びを整えたいならワイヤー矯正が向いています。
インビザラインとワイヤー矯正を選ぶ際は、両方に対応していて、経験や実績が豊富な矯正歯科医院で、よく相談して納得のうえで選択しましょう。
友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神は矯正歯科と一般歯科に対応し、トータルな治療に取り組んでいます。
当院ではインビザラインとワイヤー矯正(表側)に対応しています。
おもてなし歯科コンシェルジュによるコミュニケーションを重視した丁寧なカウンセリングで、不安や疑問にお答えします。
歯列矯正の方法に迷っている方、信頼できる矯正歯科医院をお探しの方は、ぜひお気軽に友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神の60分無料カウンセリングへご相談ください。
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