歯医者での無痛治療とは？保険適用から選び方まで徹底解説

無痛治療は、痛みを軽減するだけでなく、患者さんの心理的な負担を和らげるために考案された治療法です。

治療内容や麻酔方法によっては保険が適用される場合と自費診療となる場合があり、費用が大きく異なる可能性もあります。

この記事では、無痛治療の具体的な方法や保険適用の範囲、そして費用面での注意点について詳しく解説します。

 

無痛治療とは？

歯科医院での「無痛治療」とは、患者さんができるだけ痛みを感じずに治療を受けられるよう配慮された治療方法を指します。

麻酔時の痛みを抑える表面麻酔や電動注射器、リラックス効果をもたらす静脈内鎮静法、さらにはレーザーやマイクロスコープを用いた精密治療など、さまざまな工夫が組み合わされます。

「歯医者が怖い」「治療中の痛みが心配」といった方でも、こうした無痛治療によって精神的・身体的な負担を軽減し、安心して通院できるようになります。

 

無痛治療の具体的な方法

無痛治療では、以下のような方法が組み合わされることが一般的です。

 

表面麻酔

表面麻酔は、注射針を刺す前に歯ぐきの表面に塗る麻酔薬で、針が刺さる瞬間の「チクッ」とした痛みを和らげます。

特に痛みに敏感な方やお子さん、歯科恐怖症の方に有効です。

麻酔薬には、ゲル状やスプレー状のものがあり、患部に直接塗布または噴霧します。塗布後、約5分程度で効果が現れ、歯茎の表面の感覚を一時的に鈍らせます。

表面麻酔の効果は一時的で、深部の痛みを完全に遮断することはできませんが、初期の痛みを和らげることで患者さんの心理的な負担を軽減可能です。

 

電動麻酔器による注射

電動麻酔器はコンピューター制御によって麻酔液を一定の速度でゆっくり注入する装置です。

手動注射器よりも圧力のムラが少なく、神経への刺激を抑えられるため、痛みや腫れを感じにくい点が特長です。

極細針を用いることも多く、刺入時の痛みも最小限に抑えられます。

患者さんの不安や恐怖心を軽減し、リラックスした状態で治療を受けられるよう、多くの歯科医院で電動麻酔が採用されています。

 

静脈内鎮静法（リラックス麻酔）

静脈内鎮静法は、点滴で鎮静剤を投与し、うとうとしたリラックス状態で治療を受ける方法です。

歯科治療への強い恐怖心や不安がある方、または長時間の治療が必要な場合に適しています。

治療中の記憶がほとんど残らず、「気がついたら終わっていた」と感じる方も多くいらっしゃいます。全身麻酔とは異なり、意識は保たれているため、歯科医師の指示には従うことができます。

静脈内鎮静法は、専門的な知識と設備が必要となるため、対応できる歯科医院は限られています。

 

無痛治療は保険適用される？

一般的な麻酔は保険適用

無痛治療における保険適用の有無は、使用する麻酔法や治療内容によって異なります。

歯科治療で一般的に使用される局所麻酔は、ほとんどの場合保険適用となります。

以下のような麻酔法は、ほとんどのケースで保険診療の対象です。

 

●   注射による局所麻酔

●   電動麻酔器の使用

●   表面麻酔（塗り薬・スプレー）

 

自己負担額は数百円程度と低く、虫歯治療や抜歯など一般的な処置で広く利用されています。

 

静脈内鎮静法は原則自費診療

静脈内鎮静法は、より高度な無痛治療方法として知られていますが、多くの場合自費診療となります。専門性が高く、高度な技術を必要とし、取り扱える歯科医師が限られているためです。

自費診療の場合、費用は医院によって異なりますが、全国的な相場は数万円～16万円程度です。

ただし、以下のようなケースでは保険適用が認められることもあります

 

●   強い歯科恐怖症や嘔吐反射のある方

●   心疾患や高血圧などの持病があり、ストレス回避が必要な方

●   外科的な処置が複雑であり、全身管理が求められる場合

 

※インプラント治療などもともと自費の処置に静脈内鎮静法を併用する場合は、全体が自費扱いになります。

 

無痛治療の歯医者選びのポイント

無痛治療を提供する歯科医院を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。

以下の点に注目しましょう。

 

無痛治療への取り組みを明示している

無痛治療に積極的に取り組んでいる歯科医院は、痛みを抑えるための取り組みについてウェブサイトや院内の案内で明確に示しています。

これらの医院では、患者さんの痛みや不安を軽減することを重要視し、表面麻酔や電動麻酔器の使用、レーザー治療などの痛みを抑える技術を積極的に導入しています。

また、無痛治療に関する詳細な説明や、実際の治療方法についての情報を提供していることも、痛みへの配慮に積極的である可能性が高いです。

 

麻酔技術に熟練した歯科医・麻酔専門医が在籍

とくに静脈内鎮静法では、麻酔に関する知識と技術が不可欠です。

歯科麻酔学会の認定医や、医科麻酔医との連携がある医院では、より安全性が高く安心して治療を受けられます。

これらの専門家は、患者さんの体調や治療内容に合わせて適した麻酔方法を選び、安全に配慮しながら効果的に麻酔を行います。

例えば、『静脈内鎮静法』というリラックスできる麻酔方法を提供している医院では、歯科治療に対する恐怖心が強い方でも落ち着いた状態で治療を受けることが可能です。

特に複雑な処置や長時間の治療が必要な場合、専門家の存在は患者さんの安全と快適さを大きくサポートしてくれるでしょう。

 

治療前に丁寧なカウンセリングを行っている

無痛治療を受ける歯医者を選ぶ際には、治療前の丁寧なカウンセリングを行っているかどうかが重要なポイントです。

カウンセリングがしっかりしている歯科医院では、患者さんの不安や恐怖心を理解し、患者さん一人ひとりに合った無痛治療の提案が可能です。

 

最新の医療機器を導入している

無痛治療を効果的に行うためには、最新の医療機器の使用が欠かせません。

電動麻酔器、レーザー、マイクロスコープなど、痛みを軽減する機器の充実度は医院ごとに異なります。

機器導入に積極的な医院は、治療の精度と快適性の両立に注力しています。

 

実際の口コミ・体験談を確認する

実際に無痛治療を受けた患者さんの口コミや評価は、歯科医院選びの大きな判断材料になります。・信頼できる口コミサイトや歯科医院のウェブサイトで体験談を確認すると良いでしょう。

特に、痛みに敏感だった患者さんや歯科恐怖症の患者さんが、快適に治療を受けられたという声は、その歯科医院の無痛治療の質の高さを示す良い指標となります。

また、治療後のフォローアップや、スタッフの対応に関する評価も重要です。患者さんの声を通じて、その歯科医院が提供する無痛治療の実際の効果や、患者さんへの配慮の度合いを知れます。

さらに、歯科医院がどのように患者さんの声に対応しているかも確認すると良いでしょう。丁寧な返信や改善への取り組みは、その医院の患者さん中心のアプローチを示す良い指標となります。

 

無痛治療が向いている人

無痛治療は、歯科治療に強い不安を感じる方や複数の治療を効率的に進めたい方に向いています。無痛治療が特に有効な状況は以下の通りです。

 

●   歯科治療に強い恐怖や不安がある方

●   過去の治療で痛みがトラウマになっている方

●   口に器具が入ると嘔吐反射が起きやすい方

●   虫歯が複数あり、短期間で集中的に治療したい方

●   親知らずの抜歯やインプラントなどの外科処置が必要な方

 

※静脈内鎮静法を併用する場合、治療後はふらつきや眠気が残るため車の運転は不可となります。事前に予定を調整しておきましょう。

無痛治療におけるリスクと注意点

無痛治療にも、いくつかのリスクや副作用があるため、メリットと合わせて理解することが大切です。

 

●   局所麻酔：まれにアレルギー反応、腫れ、一時的な神経麻痺

●   静脈内鎮静法：呼吸抑制、血圧低下、ふらつき、眠気など（モニタリングで管理）

 

これらのリスクを抑えるために、治療前に歯科医師から十分な説明を受け、自身の健康状態やアレルギーの有無などを正確に伝えることが重要です。

 

まとめ

無痛治療は、歯科治療における痛みや不安を和らげ、安心して治療を受けられる選択肢です。

無痛治療には、表面麻酔や電動麻酔、静脈内鎮静法などがあります。

一般的な局所麻酔は保険適用される場合が多い一方で、静脈内鎮静法は自費診療になることが多いです。

無痛治療を受ける際は、保険適用の範囲や治療費用を確認し、自身に合った歯科医院を選びましょう。

友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神では、患者さんの不安を和らげる無痛治療に力を入れています。

おもてなし歯科コンシェルジュが不安を抱える患者さまに寄り添いながら、カウンセリングを実施しています。

「痛みが苦手で歯医者に行けなかった」という方も、ぜひ一度友枝歯科・矯正歯科クリニック福岡天神にご相談ください。

安心して通える歯科医療をご提供いたします。